| 説明 | 嘉数公民館横にある琉球石灰岩の露頭岩周辺及び広場一帯、広場の南側畑地一帯が遺跡である。露頭岩の頂部や下部には複数の拝所があり、御嶽と呼ばれムラの神として祀られている。その他にもウフカー、ウガンヌカー、ナチジンガーがある。遺跡の南側は宅地化が進み、遺物を採集することはできなかった。【出典1 p.10】<BR><BR>第５章 確認調査報告<BR>１．嘉数前原遺物散布地<BR>（１）調査の概要<BR> 本市遺跡分布調査の一環として、平成21 年10 月13 日～ 10 月21 日の期間で嘉数前原遺物散布地の確認調査を実施した。散布地内にあるウガンヌガーの南側に4 ｍ× 2 ｍのトレンチを設け、確認調査と並行して周辺の遺物採集及び地形測量も実施した。<BR> 市史「民俗編」によればウガンヌガーは津嘉山オバーと呼ばれていた〈前大屋小（メーウフヤーグヮー）〉の老女が造ったといわれている。その他にも御嶽、ウフカー、ナチジンガーが散布地内に所在している。<BR> 調査期間中は天候に恵まれず作業が難航したが、無事調査を終了することができた。<BR><BR>（２）層序と遺構<BR> 比較的良好な層序を確認することができた。層序は第19 図に示したとおり6 枚確認することができた。第1 層は黒褐色で表土層である。遺物の出土量は第2 層に次いで多い。第2 層が灰色粘質土で第3 層が灰黄褐色混礫土、第4 層が暗灰黄色混礫土、第5 層が暗オリーブ色粘質土、第6 層が灰色粘質土（地山）である。<BR> 今回、調査を行ったトレンチ内で遺構を確認することはできなかった。<BR><BR>（３）出土遺物<BR> 出土遺物及び表面採集された遺物の各々の特徴及び出土状況については、それぞれの出土遺物一覧表及び観察表に示した。<BR><BR>（４）まとめ<BR> 今回、調査を行ったトレンチ内で遺構を確認することはできなかったが、ウガンヌガーの掘削及び改修に伴う造成土と思われる層を確認することができた。第2 層はウガンヌガーの2 回目の改修時にできた造成土と考えられ、第3 層が1 回目の改修時の造成土、第4 層が井戸掘削時の造成土と思われる。層序の時期としては出土遺物から近世～近代と思われる。【出典1 pp.106-116】 |
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