広報1-2-1 1963年度歳入出予算に見る 村長の施政方針

資料ID1568008
種類記録
大項目行政資料 広報誌
中項目総務
小項目財政
細項目
資料名(別名)工場誘致に伴う農耕地の縮小と土地改良事業の促進 技術員養成と人材育成教育
資料内容工場誘致に伴う農耕地の縮小と
土地改良事業の促進
 技術員養成と人材育成教育

○…去る6月11日に行われた第3回定例議会における村長の施政…○
○…方針について、1963年度予算の中に盛られた、さまざまな…○
○…お膳立てに、スポットをあててみましょう。…○

 我が豊見城村政は幸いにして、議会や村民の皆さんの、深いご理解とご協力によりまして、年々歳々民生安定の方向に向つて順調な歩みをつづけつつあります
 1963年度の予算の編成にあたりましては、村民の均等なる福祉増進と、民政の安定を基調とする「より豊かなる村建設計画」を基本といたしました。
 行政を担当しておる者として、常に考えますことは、村民福祉の問題でありまして、如何にすれば村民の生活が安定し、向上するかという面について、たえず努力している次第であります。次に私の施政方針を要約しますと、
1 基本施設の充実
農業の生産性を高めるためには、基本施設の充実と科学的高度の農業生産と更に販路の拡張であります。基本施設の面では政府の御援助と自己財源によって逐年、道路、排水、護岸等整備されつつありますが、本年度も特にこの面に一段の力をそそぎたいと思います。
2 土地改良事業
低生産性から、高度の生産性に切替えるには土地改良事業によって可能なることはいうまでもありません。この遠大なる事業は、土地改良組合法によつて、先ず土地改良組合をつくらねばならないので本年度は、組合をつくることが先決問題であります。(略)
3 植樹興村運動
本土視察に行かれた議員の方々から「日本本土の山林を見て、沖縄は山林行政にもつと力をいれるべきだ」との御報告がありましたが、ご尤もだと思います。本村でも植樹興村をモットーとして、この面にも力を入れて水源保護、暴風雨対策の資源を作りたいと思います
4 農業近代化
私共は、何れ来るべき貿易の自由化にそなえて、寸時のゆるぎない態勢を築かねばならぬと思います。現在日本では、新時代に即応する為、農業基本法が制定され生産性の向上に努めており、又協業化即ち共同経営によつて相当な効果を挙げておりますので、特に都市に近い本村に於てはこの恵まれた地勢地域を十分に生かして共同経営の面に力を注ぎたいと思います
先ず手近かな例を申し上げますと、酪農組合、水利組合、植林組合等を実施して新時代に対処して行きたいと考えています
5 畜産振興策
畜産の面では、無家畜農家の解消に努めると共に品種改良と生産の面に一段の努力を払い度い所存であります。特に豚価安定法が出来ることにより安心して飼育できることでありますので、これが早期立法を要望致し度いと思います。
6 青少年育成
次代を背負う青少年の育成に努めると共に、学校教育、社会教育、青年会、婦人会、公民館、保育所の運営について、区教育委員会と一体となって本村100年の大計を樹立したいと思います。沖縄の小中学校の学力テストの結果を見ますと、日本本土に比較して著しく劣っており、沖縄でも南部地区は更に低いという状況にありますので、今後学力向上の面について其の対策を十分考慮しなければなりません。現在給食室や技術家庭課教室を建築中であるが(中学校)今後施設の充実を図り、学力向上の環境を作りたいと考えておいます。
7 職員の給与改善
行政運営を円滑、能率的にあらしめ、勤労意欲を昂めるために、且つ又隣接町村等四囲の状況に鑑み職員の給与を改善したいと思います。叉村民の意志を行政に反映せしむると共に、政策の内容を十分知って戴く為に、広報活動を取り入れ、十分なる批判と協力によって※1 、民主的行政運営を実施致したいと思います。
8 工場誘致の問題
営利を目的とした民間企業の工場を誘致することによって、本村の財源は豊かになります。幸い本村には「施設奨励に関する条例」という他町村では余り見られない恩典がありますので、今後共工場誘致に力をいれたいと思います。
 以上いろいろ申しあげましたが、総合致しますと、現在財源確保の面で工場誘致に力を入れておりますがこの施設に伴う農耕地の縮少については、限られた面積から高度の生産を挙げ得る土地改良と、更に農業人口について考えねばなりませんので、技術養成によって新しい職場開拓や、又新しい時代にふさわしい人材育成の為の教育、即ち、「工場誘致」「土地改良」「技術員養成」「教育」を四大目標として、村民各位がスクラムを組んで目的達成のための御協力下さるようお願い致します。

〔以上が村長の施政方針の主な骨格でありますが、では次に、議会における当局説明(比嘉助役の説明)を参考にしなら、1963年度予算の内容をのぞいて見ましよう。〕
 ※―※―※
1963年度(本年度)の才入才出予算は、1962年度(前年度)の当初予算より約2万2000ドルも多く、予算総額金8万4460ドルであります。
 ◇歳入◇
○市町村税
 歳入の主体は市町村税でありまして、歳入総額の84%を占めております。そしてその中でも、琉球製糖KKを筆頭とする琉球肥料KK、オリエンタル煙草KK、琉球放送KKなどの法人会社がその主なる納税者で、このことが本村税収入の特徴であります。
これをもう少し具体的に申しますと、村民税18,452ドルの中、法人税割が16,602ドル。固定資産税13,830ドルの中法人の分が5,791ドル事業税38,146ドルの中、法人事業税が38,032ドルで、法人負担合計■60,425ドルとなり市町村税総額の71,234ドルに対して実に84.8%となっております。予算総額の84,460ドルに対する比率でも何と71.5%を示しており、これらの法人会社が、本村財政の根源として如何に重大な地位を占めているかを知ることができます。
 歳入では、その他に使用料及手数料の7%、繰越金の6%、政府支出金(補助金)の2.5%、公営企業及財産収入の0.5%などがあります。
 ◇歳出◇
○議会費
 議員定数の増加(9月)
 日本本土研修視察の成果
 任期中に反映
 議会費は、6,377ドルで、総予算の7.5%、前年度より1,926ドルの増となっております。増額の主な原因は、9月に議員の選挙がありますが、今度の選挙で議員の定数が現在の16名から20名に増えますので、その分の報酬や費用弁償が少し昨年度より多くなるわけであります。
従来議員の本土研修視察は、その任期の4ヵ年間に分けて派遣しておりましたが、そうなると最後の年に当った議員は、折角、多額の経費と日数を投じて行った研修の結果をも、すぐ任期満了となって時日的な余裕がないために、うまく村政面にこれを活用反映せしめることができないという恨みがありましたので、今回これを改め、任期前半の2ヵ年間で行ってもらいその研修成果を村政その他の面に大いに反映せしめて戴くため、議員の日本研修派遣旅費を2ヵ年に分けて計上することにしました。
○役所費
 職員の給与改善と村民へのサービスを本位とする明るい職場作り、名札とタイムレコーダー備え付け。
 役所費は、30,849ドルで(36.5%)前年度より4,726ドル増額しています。この主な原因は、村長の施政方針にもありましたように、職員の給与改善であります。これは隣接町村職員の給料も加味し、又物価も相当値上りしていますので、周囲の状況社会情勢などからして、必然的に従来の20%増俸を計上したものであります。それとともに「村民に対するサービス本位をモットーとする明るい職場を作るべく、職員各自の胸に名札を佩用せしめ、またタイムレコーダーを備え付けて、従来の出勤簿の代りに、機械をして各自の出勤、退庁時間等を正確に記録せしめるなど、職員の気風刷新を図るとともに、事務の簡素能率化のための事務機購入などがあります。
○消防費
 消防費は、502ドルで、前年度と大差はありません。
○土木費
 道路の全面補修とローラーのフル操作、ボーリングの申込みは土木課へ
 土木費は、13,604ドルで16.1%、前年度より6,504ドル増額(約倍)しています。これは製糖期以後、急激に各地域の道路損傷が余りにも大きく、基本施設たる道路の維持は、村政の重要ポイントであり、且つ道路の発達は村の発展をも意味しますので、その補修維持を図りたいと思います。
 昨年、5000弗の巨費を投じて、ローラーを購入いたしましたが、新設道路や、大修理をした道路は、全面的にローラーを駆使して、その長期維持を考えています。
 ボーリングは、仕事の性質上、その管掌を従来の経済課から、土木課へ移管しました。
 土木費は、前述の如く大幅な増額になってはいますが、何しろその範囲が余りにも拡いので、村民皆さんが満足にゆくような道路工事は難しい※2 と思います。それに、村費から出すお金は、その道路工事に要する原材料(石材やセメント)代だけですから、みんなで協力し合って道路をもっと大切にしましよう。
○社会及び労働施設費
 社会及び労働施設費は、10,238ドルで、12.1%、前年度より1,358ドル増額しています。その中には、敬老費といって、村内に住む85才以上の老人の方に、年間1人当り10ドル宛あげているのがあります。
 子供の遊び場設置補助金は、昨年度で10ヵ所分出来ましたが、残りの13ヵ所分を今度計上してありますこれは、組立て式の施設で立派なのができます。
 その外には、村体育協会への補助金や、育英会補助金、区事務所運営補助金、保育所補助金(保母手当)農事クラブ補助金、村青年会補助金、村婦人会補助金などがあります。
○保健衛生費
 集団検診検便の施行、共同井戸の修理
 保健衛生費は、1,250ドルで1.5%、咋年度よりも760ドル増額してあります。
 住民の福祉は、先ず住民の健康からだと思います。そこで村民一人残らず、集団検診及び検便を行い、潜在する病気の早期発見と治療の手がかりにしたいと考えているわけであります。
 理想的な住宅設計並に保健衛生の面からする糞尿処理は、現在の農村としては三槽式便所の設置が最も手近かな方法だと考えられています。日本本土では、戦前において既に取りいれられ、沖縄でも最早や奨励の段階より普及の段階に来ていると思いますが、本村としては、全戸が1日も早くすべて三槽式便所にしたいとの構想から、本年度にもこれが設置奨励金として1棟あたり10ドルの30棟分を計上してあります。それから各部落にある共同井戸が破損したまま、使用水又は飲料水に使用できずに放置され、いざ旱魃となる場合に非常に必要を感ずる向きがありますので、この際修理すれば使えるような共同井戸の修理をする分に対しては、その修理に要する原材料代を補助しようという、旱魃時の保健維持の趣旨で、共同井戸補修費補助を計上してあります。
○産業経済費
 プラスチックハウス試験圃場の設置や灌漑施設補助など農業の基本改革図る
 産業経済費は、18,374ドルで総予算の21.8%を占め、前年度より4,662ドルの増額であります。本村の基本産業たる農業を、如何にしたら「食える農業から、儲かる農業へ」飛躍発展せしめ得るかという構想のもとに、盛沢山の斬新な計画がこの産業経済費の中に盛られています。
 先ず変ったものに、近き将来において、流行の寵児となるであろうと考えられている「プラスチックハウス圃場」というのがあるがこれは、年々歳々暴風と病害虫に悩まされ続けている沖縄において、プラスチックのガラス板のような物で約165平方米(50坪)位のハウスを造って、その中で土壊の更新をしたり暴風期でも高価な野菜が作れ、又冬期でも温室栽培ができるよう、たえず工夫研究せんとする施設を試験的に2ヵ所設定して、1ヵ所当り500ドル宛補助して造らそうというものであります。
 畑地灌漑施設として、ボーリングをする農家に対しましては、そのボーリングは村が無料でやってあげるとともに、ボーリングはしても、揚水機で水を吸い上げ、且つその水を貯えておく井戸を設備しないと折角のボーリングが役に立ちませんので、それに附随した揚水機を購入するとか、井戸を掘る分に対して、一件当りI00ドルまでを補助しようという「灌漑施設補助金」を20件分計上してあります。
 貸付牛は1頭135ドル位の35頭分を計上してありますが、これは一応、本年度をもって打ち切りたいと考えております。そして今後は今までに貸付けた牛の管理面に力を注ぎたいと思います。このほかにも、産業経済費の中には、病害虫防除薬品代とか、甘蔗中間苗圃設置助成費とか、種籾買上金とか、果樹奨励費とか、造林補助金など、いろいろあります。歳出では、今まで申し述べました他にも▲財産費▲選挙費▲諸支出金などがあります。
以上■1963年度予算のあらましでありました。予算についてお聞きしたい方は、直接役所にお出になる折か、又は文書(本紙への投書等)でお問い合わせ下さい。
(文責編集部)




以下の通り修正しました
※1 よっててから「よって」へ修正
※2 難かしいから「難しい」へ修正
キーワード施政方針・土地改良
総体1広報とみぐすく 1号 1962年 (昭和37年) 8月
総体2広報とみぐすく 合冊版 第 1巻 掲載
総体3
国名
都道府県名
市町村
字
市町村2
字2
場所名
時代・時期昭和_戦後_復帰前
年月日(始)
年代(西暦)1960年代
年月日(和暦)(終)
年代(和暦)昭和30年代
始期(年・西暦)
始期(年・和暦)
始期(月)
始期(日)
所蔵館豊見城市歴史民俗資料展示室
受入元豊見城市役所秘書広報課
利用時表示名とみぐすくデジタルアーカイブ_id=1568008
出典1広報とみぐすく 1号 1962年 (昭和37年) 8月
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出典2広報とみぐすく 合冊版 第 1巻
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出典3
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資料状況テキストデータ、画像、写真
資料状態概要・テキストデータ「タイトル」(市史編集員により翻刻済み)
・テキストデータ「説明」(AI-OCR→学芸員で確認)
・画像(平成23~24年度スキャニング済み)
・写真(紙面上の写真はデータ別途)
収納分類14首長部局
収納分類24_02総務部門_02秘書広報課
収納分類34020205広報・公聴
収納分類4402020501広報誌

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