瀬長 高良 喜美(南部避難)_1_全文

ID1170421
種類記録
大項目証言記録
中項目戦争
小項目住民
細項目南部避難
資料名(別名)瀬長_高良 喜美_「私の戦争体験談」_1_全文
資料内容戦前の瀬長島には、35戸の集落があり、140名ぐらいの住民が住んでいた。当時は橋は架かっておらず、満潮時は舟で干潮時には歩いて渡っていた。島には松の木、海岸辺りにはアダンやソテツが自生しており、水も豊富だった。生業は主に農業と漁業であった。
 日本兵は1000名ほど駐屯しており、上官は民間の家に住んでいたが、他の兵隊は原野や畑にテントを張って野営していた。陸軍も海軍も駐屯しており、高射砲部隊と機関銃部隊がいた。
 私は部落の区長代理(アタイメー)で、役所との連絡係をしていたのでよその地域に壕掘りには行かなかった。召集令状は役所の人が配達していた。赤札がきたら、どこそこの家に赤札がきたとムラ中がビックリして集まった。老人の親を残して出征した人もおりその時は部落の人たちが畑仕事を加勢したりして助け合った。主に部落の青年男女がいも堀りしたり雨が降ったらカズラを植えたりして手伝ってあげた。学生は部落内清掃作業を行なった。疎開については役場から大分へ疎開しなさいと指示があったが、船の都合によって行けなかったので、瀬長の住民は国頭へ移動したが、私たちは老人子供を抱えていたので行けなかった。

 10.10空襲(十・十空襲)時は島の上空を飛行機が飛んでいって那覇を爆撃していたが、島にはなんの被害もなかった。米軍機が撃墜されているのを見た。当初は飛行機があまり高く飛んで小さく見えるので日本兵達さえも敵機であるか見分けがつかなかったようだ。空襲を知らせるサイレンは那覇方面がだいぶ爆撃されてから鳴ったように思われた。

 米軍が慶良間に上陸するまで、私たちは瀬長島にいたが戦争も厳しくなり瀬長島は危ないということで字宜保へ移動した。そして宜保から潮平辺りの壕等に隠れ場所を探して逃げ回った。
 私たち親子三人は宜保に長くいた。赤嶺さんというオジィさんついて移動した。糸満潮平のタマイという大きな家で2、3日滞在した。南部方面に行くため糸満の報得川の所まで来たが、既に橋は破壊されていて、丸木棒がおかれていた。足をけがしているオジィさんが「私は渡れないので二人で渡っていきなさい」と言ったが、オジィを一人置いて行くわけにもいかず、潮平のタマイの家まで戻った。そしてそこで捕虜となった。

 潮平村の前の浜から、米軍の上陸用舟艇で中部の海岸に到着し、そこから喜舎場へつれて行かれた。さらに金武の古知屋に行って、2、3ヵ月はいた。ここでの生活は苦しかった。栄養失調で死亡者がたくさんでた。毎日のように死者の埋葬が行なわれていた。小屋作りのためカヤ苅り作業もあったが、私は作業員の飯炊きをしていたため他の家族より食生活は良かった。
 収容所から豊見城村へ帰る時は、収容された人々の中にいた教員とか役所の人達が先頭になって、どこそこの人は何日にどのトラックに乗りなさいと指示していた。私は豊見城の座安に収容された。ここで昭和21年の正月を迎えた。瀬長島の住民は瀬長島に行けなくて、今の豊見城警察署あたりに瀬長の住民は移動した。テント小屋やカヤ葺き小屋に住んでいたが、台風にあって全滅状態となったので現在の瀬長部落に移動した。現在の瀬長部落は戦前は畑地と原野であった。
 瀬長島は、全部米軍へ接収されて、島へ帰ることはできなかった。島は艦砲穴があって緑の松林もあとかたもなかった。また、島は弾薬庫に利用されていた。瀬長島へ渡る現在の道は島から出た石で造成されたが、自分の屋敷に石を取りに行った住民が米兵の銃撃を受けて死亡した事件もあったと聞いた。

(1999年聞き取り)
キーワード一般住民体験談、10.10空襲(十・十空襲)、南部避難、瀬長島、日本軍、赤紙
総体1豊見城村史_第06巻_戦争編_証言
総体2
総体3
出典1豊見城村史 第6巻 戦争編 pp.700-701
出典1リンクhttps://www.city.tomigusuku.lg.jp/kanko_bunka_sports/rekishi_bunkazai/2/1/3254.html
出典2
出典2リンク
出典3
出典3リンク
国名日本
都道府県名沖縄県
市町村豊見城市
瀬長
市町村2糸満市
字2潮平
時代・時期近代_昭和_戦前
近代_昭和_戦中
昭和_戦後_復帰前
年月日(始)
年月日(終)
年代(西暦)
年月日(和暦)(終)
年月日(和暦)(始)
年代(和暦)
始期(年・西暦)
始期(年・和暦)
始期(月)
始期(日)
終期(年・西暦)
終期(年・和暦)
終期(月)
終期(日)
収納分類16行政委員会
収納分類36010606市史編集
収納分類26_01教育委員会_06文化課
収納分類4豊見城村史第6巻戦争編

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