旭日鳳凰図

作者平井顕斎
制作年代嘉永2年
員数1幅
材質絹本著色
法量 縦(cm)139.6
法量 横(cm)56.2
解説鳳凰は古来中国で、麒麟・亀・龍と共に四瑞として尊ばれた想像上の瑞鳥である。形は、前は麒麟、後は鹿、頸は蛇、嘴は鶏に似、五色絢爛、雄を鳳、雌を凰という。旭日は朝陽のことで、いずれも吉兆画題である。波は谷文晁(1763-1840)・椿椿山(1801-54)にも類例が見られ、鳳凰も含めて「図取り」と考えられるが、その筆致は丁寧で、細密描写に顕斎の画力の充実ぶりが窺える。落款には「己酉肇秋寫 顕斎忱」とあり、嘉永2年7月の完成であることがわかる。天保12年の書簡で、崋山が顕斎について次のように述べている。「文人画に尤も長じ、其外何にても出来申さずもの無し」40歳で既にどのような主題、筆法にも対応できたようで、幕末へ向けて多くの依頼画として描いた作品のひとつであろう。

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