アントワーヌ=ルイ・バリー

作者名欧文Antoine-Louis BARYE
生没年1795 - 1875

略歴・解説

1795年にパリに生まれたバリーは、リュードやプレオーとともにロマン主義彫刻を代表する作家である。父の影響で早くから金属工芸にふれ、14歳の時彫金師のフーリエに弟子入りした。フーリエは軍服装飾を制作していた職人で、有名な金銀細工師であったビエネのための仕事もしており、ここでの経験が後に自分の鋳造所を持つバリーの技術的な基礎となったようである。また、アカデミックな彫刻家ボジオに一時弟子入りしたものの、ボジオの凍りついたような作風に反発して、自由で感情的な画風の画家グロにも教えを受けるなど、彫刻だけにとどまらない修業を積んだ。1823年からは金銀細工師のフォーコニエと卓上装飾用の小さな動物彫刻を作り始めている。バリーの動物彫刻は実際の観察にもとづき、そこに異国趣味や劇的なるものへのロマン主義的な志向を重ね合せて、マイナーであった動物彫刻の価値を高め、一つのジャンルを形成した。1833年のサロンに入選した《ライオンと蛇》が国王ルイ・フィリップの注文でブロンズに鋳造されてチュイルリー宮殿のテラスに飾られたのをはじめとして、公園や広場など公的場所に数多くの作品が設置されている。

1994年『ロダン館』、p. 176~177

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