ヤン・ファン・ホイエン

作者名欧文Jan van GOYEN
生没年1596 - 1656

略歴・解説

レイデンに生まれたホイエンは、10歳頃から数人の画家について絵画を学んだらしいが、なかでもハールレムで1年間一緒だったエサイアス・ファン・デ・フェルデからは、もっとも大きな影響を受けている。1618年レイデンに戻り、20年代には、エサイアスと同じく、円形や横長の画面に何人もの小さな人物を配した風俗味の強い風景画を多く描く。また20年代後半には、多彩な固有色が抑えられ、褐色、淡黄色・緑を中心とした単色に近いパレットへと移行していった。ハーグに移った1630年代には、のびやかな筆使いと黄色と灰緑色の色調によって、運河岸の集落や川沿いの町のシルエットが、広大な空の下に描き出されている。円熟期ともいうべき1640年代には、都市景観河川風景、海景、スケートやそり遊びの見られる冬景色が多く制作され、陰に浸された深い色調、暖味のある褐色、薄く溶かれた絵具の素早い扱い、陸地と空・水面の強い明暗対比などは、後期のホイエン作品によく見て取れる技法上の特徴となった。彼は青年時代にフランスに行き、その後もオランダ各地や低地ライン地方を足繁く回っていて、1200点を越す絵画のほか、黒チョークによる多くの速写的な素描をのこしている。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 170

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