褐釉天目碗

写真提供先:那覇市壷屋焼き物博物館

茶器

大分類4章 おたのしみとおもてなし
中分類食器(もてなす)
解説茶器とは、広義には日本で成立した茶の湯の器全般を指します。狭義には茶の湯のおける抹茶を入れる茶入(ちゃいれ)を指します。ここでは茶入・抹茶茶碗・水指について説明します。
茶入には元々中国の焼締の小壺が用いられ、より茶の湯の作法に合うような焼締の茶入が備前焼などで作られ珍重されました。琉球王国で作られた焼締や秞薬を施した茶入も現存しています。近代以降の茶の湯では、薄茶には塗り物(漆器)が、濃茶には焼締陶器が使われるのが通例となっているため、薄茶用の茶入を漆器メーカー・漆器作家が盛んに製作し、濃茶用の茶入は主に焼締陶器に取り組む陶芸家が制作しています。
抹茶茶碗は、禅宗の儀式である茶礼(されい)用の茶器として天目茶碗が沖縄の寺院で使われたことが考古遺物などから推定されています。中国福建省で作られた天目茶碗のほか、時代を経るとともに沖縄本島や八重山でも天目茶碗が作られるようになったことが考古遺物や伝世品からわかっています。それらの天目茶碗は、禅寺だけでなく、広く茶の湯に用いたとみられています。また京焼を模した白地に草花を描いた碗も茶の湯に用いたことが近年の研究で明らかになりつつあります。17世紀頃から那覇・湧田窯(わくたよう)で作られた、いわゆる湧田マカイ(マカイ=碗)が茶の湯に用いられたかどうかは明らかでありません。
茶の湯の水指は施釉陶器・焼締陶器のどちらも広く作られたようです。中国製や日本製など様々な水指が使われたようです。琉球王国で作られた水指としては、読谷村の喜名焼とされる焼締の水指が複数点現存しています。

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