写真提供先:(一財)沖縄美ら島財団

古酒

名称かなくーす
大分類4章 おたのしみとおもてなし
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解説古酒の歴史については明らかではありません。ただ李朝実録や冊封使の記録には、焼酎に似た黄色いお酒、黄色いお酒で造り方は中国と同じ、などの記載があります。それが古酒であれば、500年以上前から古酒が造られていたことになります。
口承に近い形では、戦前首里の上流旧家には「康煕年間」と呼ばれた古酒があったそうです。康煕とは琉球でも使われていた中国の元号で、西暦1662年~1722年までの間です。その頃からの古酒ならば、およそ300~350年前からの古酒だと思われます。
新酒の泡盛より、まろやかでフルーティな香りがするとされています。また甕(陶器)で熟成された古酒は琥珀色をしています。
香りについて尚順男爵は3つの香り(かざ)に分類しています。1つは白梅香の香りで、鬢付け油の匂いと表現しています。またもう1つはトレフナビー(熟れた頬付)の香り、最後はウーヒージャーといい雄山羊の香りと表現しています。
古酒を作るには「仕次ぎ」という手法がとられます。まず甕に入った泡盛を3つ程度準備します。一番古いお酒を「親酒」として、次に古い順に二番甕、三番甕とします。親酒は年に1回、開封し飲むなどしたあとに、二番甕から親甕へ泡盛を継ぎ足します。また二番甕の減った分は三番甕からうつします。
最後の琉球国王尚泰の四男で、王国崩壊後に文化人として活躍した尚順によると、薩摩奉行の饗応などに用いられたとされています。また大焼香、大祝儀などにも供せられていました。

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