ンスナバーウサチ

写真提供先:安次富順子食文化研究所

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葬儀

大分類5章 行事と食
中分類風俗習慣(人生儀礼)
解説死者への供え物:人が亡くなると、枕元に白いご飯を供えます。箸を2本つきさしたり、十字に立てたりします。西表島の祖納では、別れの膳(ワカリヌジン)といってご飯と団子と酒を供えます。首里では、白米のほかに、豆腐を一切れ入れた味噌汁、団子7個、シルベーシ(味付けしていない三枚肉を7枚皿にのせ、そばに味噌をおいたもの)を皿に入れて膳にのせて枕元に供えました。1667年の羽地仕置や『球陽』には、王府が死者の祭祀に牛や豚を供える風習を禁止していることから、王国時代から死者に対して肉を供える習俗があったとされています。
廃藩置県以降は豚を屠らずにご飯やおかゆを葬式に出すようになり、会葬者が酒や金銭を持ち寄る風習も始まりました。最後の包丁人の荼毘(葬式)の日に、尚泰より御塩粥(ウスゲー)を賜った記録があります。しかしこれは、王家や御殿、殿内などのしきたりで、明治・大正期の首里庶民の間で御塩粥は使われていませんでした。
初七日(ハチナンカ)から四十九日(シンジュウクニチ)までの供え物は、首里では白ご飯、ウサチ(酢の物)、豆腐のお汁、お茶請けを準備しました。お茶請けは白イカ、カシティラ、かまぼこ、昆布巻き、ゴボウの煮しめ、揚げ豆腐、クバンなど7種をそろえました。お茶請けは重箱に詰め、仏前に供えました。
大御焼香(ウフスーコー・二十五年忌と三十三年忌):首里では早朝に仏前にお茶湯(ウチャトゥ)をあげ、丸い煎餅(シンビー)を供えます。朝食には何を供えてもよいとされています。昼どきに、精進料理を供えます(大根・包みウバ〈味付けしたゴボウ・シイタケ・キクラゲを豆腐のウバで包んだもの〉、うずら豆腐、花麩、シイタケを煮しめたもの、タケノコの煮しめたもの、計6種の材料を醤油のすまし汁に入れて精進料理としています)。ウサチとしてダイコン・ニラ(チリビラ)・キクラゲ・薄揚げの豆腐を刻んだものにモヤシを加えて酢の物にし、中皿に盛ります。ミミガー刺身・血イリチー・揚げ豆腐を切って浮かべた味噌汁・白ご飯、これらの4品とウサチ・精進料理を膳にのせて仏前に供えました。

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