クチカミ酒・ミキ
大分類 | 4章 おたのしみとおもてなし |
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中分類 | 酒 |
解説 | クチカミ酒については、『朝鮮王朝実録(李朝実録)』で初めて確認できます。それによると1477年の与那国島では粟や米を女性が噛み、お粥状にしたものを醸したお酒を飲んでおり、味は甘かったとあります。また1534年に冊封使として来た陳侃も『冊封使録』にクチカミ酒について書いています。 また1713年に琉球王府が編纂した地誌『琉球国由来記』にも「神酒」の記載は見られます。それによると、琉球での神酒作りは神代に始まり、四季の祭祀には神に供え、かつ婚礼や接待にも用い、女性が噛んで作る方法もあれば麹利用する方法もある、と記載されています。 現在では噛んで造られたお酒はありませんが、祭祀儀礼の際に作られる神酒の調査もされています。本島北部の一部の地域では次の通りに作られているようです。おからや小麦、こうりゃんを蒸して麹を作る。また、粟やこうりゃんを煮て、冷めたらこうじと合わせて一晩発酵させる。発酵したものを石臼で水引きし、下に溜まったものが神酒です。 また、うるち米を主原料に麹や砂糖を使って数日間発酵させた神酒が供えられることも多くなってきています。 |