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フローレンツ「ドイツ語学講義」に関するノート(ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』、シラー『オルレアンの乙女』)

IDL3-D-01
作成者西田幾多郎
種類受講ノート
時期区分帝大在学時
作成年代(和暦)(明治24年~明治27年頃)
形態無地ノート/無地(罫線なし)/左綴じ/鉛筆書
内容【確定】フローレンツ「ドイツ語学講義」の受講に関連したノート。内容的には、ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』、シラー『オルレアンの乙女』のドイツ語原文の抜粋に、英語の注を付けたものであり、多くの部分が下記のテクストと対応している。

(1)GOETHE. Hermann and Dorothea with an Introduction and Notes by Wilhelm Wagner. New Edition. Revised by J. W. Cartmell. Cambridge, Cambridge University Press.(ドイツ語原文に英語で注釈を行った読本)

(2)SCHILLER. Die Jungfrau von Orleans. Eine romantische Tragödie. With biographical Notice, Historical Introduction, and Analytical Notes by Joseph Gostwick, London, Macmillan and Co..(ドイツ語原文に英語で注釈を行った読本)

ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』については、西田が帝大時代に受講したフローレンツ(Karl Adolf Florenz)のドイツ語学講義に関係していると考えられる(※1,2)
内容詳細【ノート1-46頁】Goethe's Hermann and Dorothea, with an introduction and notes by Wilhelm Wagner.

【ノート50-157頁】Schiller, Jungfrau von Orleans: Eine romantische Tragödie.
注記ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』について
フローレンツが、ゲーテの『ヘルマンとドロテーア』を題材に授業を行ったことは明らかであり、ノートはこの授業に関連すると考えられる。
Wilhelm Wagnerによって注釈を付けられたこの読本に関しては、1)フローレンツ自身が教科書として指定していた可能性、2)教科書として指定していたわけではないが、西田が予習・復習のために読んだ可能性、3)フローレンツが授業の参考書として利用しており、授業の際のフローレンツの言葉を西田が書きとった可能性、などが考えられる。
翻刻チームの髙橋の調べでは、西田のノートと出典との表現が異なっている部分があり、この点からは3)の可能性が考えられる。

(※1)「Nov. 30 ― Dec. 11, 1891」(ノート47頁)と西田の帝大在学期間中の日付が書かれている。

(※2)「有名な夏目漱石君は一年上のクラスにゐたが、フローレンツの時間で一緒にヘルマン・ウント・ドロテーアを読んでた様に覚えて居る。」(「明治二十四年頃の東京文科大学選科」)
出版物との対応未収録

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