市川左団次の伊達五郎(山口県)

法量(幅)㎜504
法量(高さ)㎜358
公開解説 描かれているのは初代市川左団次演じる伊達五郎で、「白縫譚」の登場人物。「白縫譚」は嘉永2年(1849)から明治18年(1885)にかけて刊行された長編の合巻であり、豊後国臼杵の城主大友宗麟の娘である若菜姫が、蜘蛛の妖術をつかって父の仇である菊池家を討ち果たすという物語である。三笠山伊達五郎は九州では名の知れた力士で、青柳春之助に仕えている。
 はめ込み絵は、川端玉章の描いた「錦帯橋」。錦帯橋は、山口県岩国市にある錦川にかかる橋で、延宝元年(1673)岩国藩主吉川広嘉によって創建された。「白縫譚」のなかには、周防国岩国にある椎尾八幡宮境内での相撲の場面がある。はめ込み絵は、この場面にちなんで描かれたものであろう。

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