長井線駅シリーズ 長井駅

資料ID5309
作者菊地隆知
制作年1984
公開解説昨年六月「赤湯駅」から長井線を表紙にして何とか「長井駅」まで来た。本号は、通巻53号であるが、総頁数が丁度千頁を超える。「長井」といえば「水と花」、更に【芳文】本誌を思い出してくれる人が多く居てくれるのではあるまいかと勝手に思い、編集・発行の御苦労に感謝しながら更に、の続刊を願っている。
冬、長井に来て「消雪道路」を初めて歩いた人が「噴水の街」だと云ったとか?地下水の豊富さ、いくら汲み揚げてもと云われている程。また「花の長井」では、冬どんな花が咲くのかと「あやめ公園」も知らない東京の友人に云われて困った。「四季」次々と色んな花を咲かせている町だと思ったらしい。「雪の華」のような話をして話題を変えてしまった。
「ゆり二号a」が先頃宇宙にとんだ。「太陽電池パネル」が、四角い大きな翼を拡げるさまの映像はテレビで何回も見せてくれた。米大統領の一般教書演説で「十年以内に恒久的な有人宇宙ステーション開発」と。平和目的で新時代を開くと云う。「月面入植」への第一歩と新聞では知らせる。こちらの国の新予算では、長井ダム国の直轄に付いたと云う。
新しい年になり一か月、急に世の中が変ることもないと思うが平和だけは願いたい。
何時の間にか「停車場」という言葉が聞かれなくなった。昭和二十年前後何年か、客を貨車に乗せて運んだ頃までは有ったようだが。また何年か経ったらどうなるのであろう。……いつか、或は「長井宇宙開発公団」の看板が見られる宇宙に発つ駅にもなっているのでは?「ステーションビル」に文化?的なものが合併されているとか、飯豊、朝日、吾妻の山々がきれいに眺められる高階の「展望レストラン」などあったりして「長井ダム」の渓谷までの眺望車なども往復する。勿論、直通、日帰りの東京行きも何本か?左荒線も、長左線とかに名前を変えている。でも、開発と一緒に自然がこわされているか、大事にされているのか、鳥・動植物など共存しているのかわからない。核戦争の接近度など考えたり、核シェルターを買う金もない者は、全くびくびくするばかりである。
そこで、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出す。少年ジョバンニの、銀河旅行をしながら、人の幸いのためにつくしたいと願う烈しい感情。
【芳文53号】

#菊地隆知コレクションⅠ
公開解説引用【芳文53号】

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