
鉢《落ち葉》
タイトル(よみ) | はち《おちば》 |
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作家 | クルト・シュプーレイ くると・しゅぷーれい |
制作年 | 1989年 |
寸法 | 8.0×31.0×31.0cm |
員数 | 1 |
解説 | クルト・シュプーレイは、1971年にファエンツア国際陶芸コンクールにて金賞を受賞。その後1976、77、79年にも金賞を受賞している。彼は特定の教育機関に身を置き教鞭をとるのではなく、毎夏、ドイツ、オーストリア、フランスの機関でサマーコースのクラスを受け持っている。また、1976年に中日国際陶芸賞を受賞、1995年には国際陶磁器展美濃'95の陶芸部門審査員を務めるなど、日本で最も知られたオーストリアの陶芸家の一人である。オーストリア陶芸史においては、個人作家としての意識を確実に作品に反映させた世代の一人であるといえる。 シュプーレイは磁器に重点をおき、磁器による器形作品、もしくは磁器とレンガを組み合わせて頭部をテーマとしたオブジェ作品を制作している。彼にとって磁器とは、抽象的で知的な素材であるという。白をベースとした作品を多く制作しているが、そこに他の色を組み合わせる場合には、黒は強すぎるとし、グレーやブルーを使用して磁器の鋭さを和らげるのだという。 本作品は、アウガルテンの磁土を使用し、象嵌による装飾を施した器である。同形のものを50個制作したが、最終的に作品として成功したのは半分以下の20個であったという。磁器特有の尖った白地にグレーの三角形及びブルーの直線が施されたさまは、シャープで都会的な雰囲気が漂う。これは、彼の確かな技術に裏付けられた結果であるといえるだろう。 |