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白いかばん
タイトル(よみ) | しろいかばん |
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作家 | 小塩 薫 Ojio Kaoru |
制作年 | 1997年 |
寸法 | 23.0×24.6×9.5cm |
員数 | 1 |
解説 | 小塩は靴や帽子、かばんなどの女性にとって身近なモチーフを題材にして、磁器という素材の力を探りながら制作を行っている。 絵を描くのが好き、という気持ちで京都市立芸術大学に入学した小塩が陶芸を選んだ動機は、「やきものはどうやってつくるのか」という素朴な疑問にあった。 小塩は本作品を石膏による鋳込みで制作している。粘土で作った原形で石膏型をとり、その型に磁土を薄く鋳込むことで、ごく薄いかばんが抜きあがる。その上に和紙の型紙を当て、まわりに筆で泥しょうを塗り重ねていくことで、磁器の厚みに変化ができる。結果、灯りをともしたときにその磁土を透かしてみえる光に表情が生まれてくる。さらにはカッター、やすりで絵が加えられる。また本作品では、胎に小さな穴をあけて、そこに磁片を貼付けたり、水彩絵の具による彩色を加えることで、光の見え方に変化が与えられている。そうして様々な光が、磁器という素材の質感を強調してみせている。 かばんが物をなかにいれるものであるように、本作品のかばんは光を包み入れている。その暖かくやさしい光は、無垢の磁器を通すことで生まれてくるのであるが、小塩は透光性という磁器の特徴を、意図的に光を作品にとりいれることで強調している。女性らしいモチーフを無垢の磁器の質感で見せる本作品には、みずみずしい感覚があふれている。 |