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白瓷輪花鉢

タイトル(よみ)はくじりんかばち
作家塚本快示 Tsukamoto Kaiji
制作年1977-80年頃
寸法9.0×21.0×21.0cm
員数1
解説 白磁・青白磁の技術により重要無形文化財保持者に認定される塚本快示は、その目標とした中国唐時代の刑(※正しくは、おおざと)州窯や北宋時代の定窯の白磁、また北宋時代に景徳鎮窯で産した青白磁に迫る技術で、その作品制作を手がけた。土岐市駄知町の代々製陶を業とする旧家に生まれた快示が白磁・青白磁を手がけるようになったのは、30歳の時に読んだ小山冨士夫の論文「影青襍記」の影響による。そして戦後美濃焼振興に貢献した陶芸デザイナー、日根野作三に師事し、クラフト風の磁器を焼くかたわら、小山と出会う。快示はその小山の指導を受けて、真摯に中国陶磁の研究を重ね、その成果が作品に結晶化していった。
 本作品は中国定窯の白磁を彷彿させるが、その模倣を目的とした作品ではない。たしかに器胎はアイボリー色を帯び、定窯の白磁のように薄い。しかし鋼製および竹製の箆を用い、冴えたフリーハンドの刻線でそこに彫り描かれた鳥文、牡丹文は快示独特の文様となっている。それらの文様の間には小花文様が散らされ、意匠的にも独創性の盛り込まれた作となっている。この白磁の柔らかさを生み出すべく精製された素地は、原材料の研究を重ねた結果であり、精製された材質と雅趣をおびた端正な作行、そして見事な彫花文によって快示の白磁が完成されている。

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