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藍彩四方花器

タイトル(よみ)らんさいよほうかき
作家加藤卓男 Kato Takuo
制作年1993年
寸法17.3×30.5×30.7cm
員数1
解説 加藤卓男は1804年に開窯された「幸兵衛窯」の伝統の中で生まれ育つ。フィンランド工芸美術学校留学中にイランを訪れて以来ラスター彩、青釉等ペルシャ陶器の技法を取り入れた作品を制作。美濃陶芸協会設立と同時に初代会長となり、美濃陶芸の指導育成に貢献。1975年中日文化賞受賞。1980年に宮内庁正倉院より正倉院(奈良三彩)の復元制作を委嘱され、1988年に納入した。ラスター彩・青釉・三彩により岐阜県無形文化財技術保持者に認定。加藤卓男は単なるラスター彩の復元に留まらない日本人としてのラスターを作り上げる。95年には三彩にて重要無形文化財保持者に認定。  本作品は、MOA大賞受賞者展に出品された作品である。シャープな花器の形態の角に、ねじれた短い紐が付けられている。四方花器のシンプルなフォルムにねじれた短い紐がアクセントとなって、造形の単調な硬く冷たい印象を和らげている。少しの焼成温度差で流れ方が変わる藍彩の、本作品の仕上がりからは加藤の釉薬への長い研鑽が見て取れる。藍彩のさわやかな色調と現代的でシャープな造形の作品。

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