/4

青釉銀華「碑文」

タイトル(よみ)せいゆうぎんかひぶん
作家加藤卓男 Kato Takuo
制作年1975年
寸法28.0×20.0×20.0cm
員数1
解説 加藤卓男は1804年に開窯された「幸兵衛窯」の伝統の中で生まれ育つ。フィンランド工芸美術学校留学中にイランを訪れて以来ラスター彩、青釉等ペルシャ陶器の技法を取り入れた作品を制作。美濃陶芸協会設立と同時に初代会長となり、美濃陶芸の指導育成に貢献。1975年中日文化賞受賞。1980年に宮内庁正倉院より正倉院(奈良三彩)の復元制作を委嘱され、1988年に納入した。ラスター彩・青釉・三彩により岐阜県無形文化財技術保持者に認定。加藤卓男は単なるラスター彩の復元に留まらない日本人としてのラスターを作り上げる。95年には三彩にて重要無形文化財保持者に認定される。 加藤は「従来の技法を復元した上で、これを土台として自身の作品をうち立てる。ペルシアに陶器に関する私の研究と努力のすべては、それによってはじめて完全なものになるだろう」と述べている。1960年代後半より発表しているエキゾチックな青釉のブルーに応じるかのように、加藤卓男は日本では類をみない独創的なフォルムの作品を生みだした。ラスター彩が文様や絵を描くのに用いられたのに対し、青釉の仕事からは豊かな造形表現を見ることができる。
 本作品は轆轤でつくられて円筒に挽いた後、手で押さえて角柱をかたちどる。底辺に近い部分に平面を作り出すには特に強い力が加わる。その手で強く押さえられた部分には施された釉薬が厚めに残り、シンプルな造形に深く青い部分ができていて釉調が強調される。たくさん付けられた突起物は独創性に富んだ作品。

PageTop