/5

釉下彩上絵陽刻紫陽花図大花瓶

タイトル(よみ)ゆうかさいうわえようこくあじさいずおおかびん
作家深川製磁 Fukagawa Seiji
窯名深川製磁
制作年明治時代後期
寸法54.0×37.0×37.0cm
員数1
解説 香蘭社の設立メンバーであった八代深川栄左衛門の次男忠次が、輸出用食器の製造販売を目的に明治27年(1894)に深川製磁会社を設立。明治43年(1910)、宮内省御用達となり精磁会社、香蘭社につづいて食器類制作の栄誉を受け、同44年(1911)には鍋島侯爵その他の賛助を得て規模を拡大して、深川製磁株式会社となる。香蘭社に対して深川製磁は「新宅」と呼ばれ、有田の磁器生産の中心として現在も操業を続けている。
 金彩の華やかさと品を持ちそなえる本作品は、欧米に輸出され、近年里帰りしたものである。大ぶりな器体には紫陽花の花樹が配され、浮き彫りにされた花弁は釉下彩をぼかした淡い色彩のグラデーションによって、いっそう立体的にみえる。地の部分はほとんど黒に近く、その上を金彩の渦巻き文様が丁寧に埋めつくしているが、それが対比的に紫陽花を柔らかく優しいものに浮かびあげている。 深川製磁では色彩豊かな格調ある古典的な意匠を得意としているが、一方スプレーによる新しい釉下彩の絵付けも積極的に装飾にとりいれており、本作品でも紫陽花の花の部分の表現に効果的に用いられている。

PageTop