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コーヒーポット
タイトル(よみ) | こーひーぽっと |
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作家 | オットー・リンディッヒ Otto Lindig |
制作年 | 1924年 |
寸法 | 20.5×13.4×11.0cm |
員数 | 1 |
解説 | バウハウスの陶芸工房は、バウハウス開校後も必要な施設がなかったために、ヴァイマール校内には設置されずにドルンブルグに設立された。そのため、中世ギルドのような生活を理想としていた初期バウハウスの意図に、非常によく合致していた。この工房は、バウハウスが設立された1919年からデッサウに移転するまでのわずか5年間だけの活動であった。当初は、マックス・クレハンとゲルハルト・マルクスをマイスターに迎え、農民陶器といったドイツ表現主義的な作品を多く制作していた工房であったが、次第に若いマイスターたちの新しい傾向へと移っていく。その新しい流れを作り出したMeister(マイスター、親方)の1人が、オットー・リンディッヒである。 オットー・リンディッヒは、テオドール・ボーグラーと共にバウハウス陶器工房を代表する作家である。彼らの世代になると、作家自身が量産ということを意識し、一点制作の作品ではない工場での量産型のものが主流となっていった。マルクスらに比して、彼らの作品は大変シンプルであり、この単純明快さは、戦後の北欧モダンデザインの先駆と言える。 本作品は、型成形による大量生産型作品であり、ポットの胴体部分を中心として注ぎ口、取っ手、蓋等、部分の有無により「花瓶」→「水差」→「Pot」と、形態と使用目的を変化させることが出来る。これは、ヴァルター・グロピウスの「空間単位構成方式」そのものであると言える。このフォルムは、リンディッヒの代表的フォルムのひとつとなっている。このタイプの作品の多くは、通常、白など一色に仕上がる釉薬が施されており、本作品の施釉は珍しいタイプであると言える。またそれだけではなく、丁寧に施釉されており、新たな文様が生まれている。 |