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蓋物
タイトル(よみ) | ふたもの |
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作家 | バーナード・リーチ Bernard Leach |
制作年 | 1950-60年代 |
寸法 | 28.0×29.5×29.5cm |
員数 | 1 |
解説 | 1920年代の日本とイギリスでほぼ同時に富本憲吉とバーナード・リーチという二つの個性によって個人作家的陶芸制作が始まる。柳宗悦ら民芸運動の指導者達との交流の中で、リーチは独自の陶芸表現を確立した作家である。 本作品の器形は北京の「天壇」の屋根に、 文様は南米の<dual sun (太陽の二重文様)>の模様に想を得たという。特異な蓋の形は、中国の農夫の麦藁帽子からヒントを得たという説もあるが、リーチ自身は、著書の<A Potter's Portfolio(リーチ選世界陶磁譜)>において本作の類例を挙げ、若き日に制作した北京の天壇のエッチング(1916年、リーチ29歳)と見比べたとき、蓋の形が天壇の屋根の形に基づいていることに気づいたと述べている。同書には、中南米などの プリミティブな土器類も挙げられており、洋の東西を問わず、心を捉えるあらゆる風物をスケッチし、器の模様や形に採り入れたリーチの作家としての特質をよく表す作例であるといえよう。 本作品は セント・アイヴィスのリーチ窯にて彼自身が制作したものである。豊かな器形に繊細な掻き落としの描線による模様が施され、風格ある一作である。この類例は散見され、大きさや釉薬を変えながら何度も取り組んでいるところからも、リーチが好んだデザインであることがわかる。 |