ファイヤ・ライト
タイトル(よみ) | ふぁいや・らいと |
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作品名(原題) | FIRE LIGHT |
作家 | ジャック・シュレス Jack Sures |
制作年 | 1989年 |
寸法 | 296.0×240.5×8.0 |
員数 | 1 |
解説 | ジャック・シュレスはカナダ中部マニトバ州の出身で、マニトバ大学で絵画・版画を学んだ後、アメリカのミシガン州立大学大学院で陶芸を専攻した。1960年にロンドンに滞在して型成形やろくろ成形を学んだ後、ヨーロッパと中近東を旅して、1962年にカナダに戻った。その後、サスカチュワン州のレジャイナ大学の教官を務めながら、制作活動を展開し、特に1980年代以降、国内外の展覧会で活躍を続けてきた。 ジャック・シュレスは、ろくろ成形の陶芸を基本としながら、陶彫や陶壁で知られ、さらに絵画、素描も制作している。素材・技法は多岐に渡り、炻器、陶器、磁器、タイルなどを手掛けている。彼の表現は、人間を中心的なテーマとして展開される。しばしば動物をユーモラスで風変わりなイメージに描き、これによって人間観察の結果を表わしたり、戯画化したりしている。 この作品は多数のパーツから作成されている。作者によれば、陶土から型成形で中空のチューブ形を作り、これを半分に切り、焼成して、パーツ素地を作成した。それに暗赤色とオレンジ色の顔料を吹き付けて、焼成した後、さらに合成樹脂製の絵具を吹き付けて、色彩を強めた。そして、これらのパーツをベニヤ板の上に配置して固定した。 この作品の表現について、作者は、人類史上で最も恐るべき出来事である、1945年の広島への原爆投下を念頭に置いていた。赤とオレンジのタイル状のパーツが象るイメージは、原爆の爆発を表わしているという。このような強烈なメッセージに呼応して、強い色彩効果を持った陶器パーツが組み合わされて、ダイナミックでインパクトのある造形となっている。 本作品は1989年の第2回国際陶磁器フェスティバル美濃における、陶磁器デザイン部門のグランプリ受賞作品である。 |