鳥文斎栄之

CHOBUNSAI, Eishi
1756-1829

作家略歴

浮世絵師。本名は細田時富。俗称は民之丞、彌三郎。細田家は500石取りの旗本で栄之の祖父は勘定奉行を務めた。栄之自身も小納戸役として第10代将軍 徳川家治に近侍したが、1789年に退いた。狩野栄川院典信に学び、鳥居清長に私淑する。初期は清長風の美人画を描くが、家督を譲り画業に専心し始めた寛政期(1789-1801)には、独特の清楚で典麗な美人画を確立した。十二頭身ともいわれる様式は、同時代の人気絵師 喜多川歌麿にも影響を与えた。また、紅などの華やかな色を避けて、紫、深緑、薄墨など渋い色調で摺り出す「紅嫌い」の創案者といわれ、優品を多く残す。98年頃に錦絵の制作をやめ、以後は肉筆画のみを手掛けた。

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