和田礼治郎

作家名(よみ)わだれいじろう
作家名(英語)WADA Reijiro
生地広島県
生年1977

作家解説

和田は、「ヴァニタス」や「メメントモリ」などの西洋美術における伝統的なテーマや、宇宙や生命、時間などの形而上学的なモチーフをもとに彫刻を制作してきた。2010年から、真鍮で縁取った複層ガラスを水面と同化するように浮かべる「ISORA」のシリーズの制作を開始。続いて二枚の真鍮板のあいだに果物を投げ込み、その軌跡が残される「VANITAS」、真鍮フレームの中をワインなどの液体で満たした「SCARLET」などのシリーズを、ドイツを中心にヨーロッパで発表している。物理的な現象や力学によって制作される和田の彫刻は、多くの場合生の素材が用いられ、それが変化し朽ちていく様子までも彫刻の一部として内包する。不定形で脆い素材の使用や、制作のプロセスを強調する態度は、ポストミニマリズム彫刻の系譜に位置づけることができる。一方で、初期の「ISORA」や、山肌を流れる滝の2つの支流を1つにし、滝の裏側に鏡を埋め込んで再び2つの滝にする《VIA》(2004年)など、自然に介入して風景を変容させるランドアートの一脈とも言える作品も制作している。

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