EXOSPHERE

作家名和田礼治郎 WADA Reijiro
制作年2023年
技法、素材チタン
寸法30.0×30.0×1.5(9点組)
分野彫刻・立体(日本)
所蔵作品登録番号JS202300004000
解説本作は、磨き上げたチタニウム板の裏側から2000度以上の熱を加えることによって制作されている。裏から熱せられたチタニウムは、金属酸化膜の表面から反射する光と薄膜を透過して底面より反射してくる光とにより生じる、玉虫のような色(干渉色)を発する。9点1組の本作は、それぞれに熱し方が異なるため、同心円状に色彩のリングができていたり、二つの青い円が隣り合っていたりと、様々な表情を見せる。タイトルの「EXOSPHERE」は、地球の大気圏と宇宙の境界を示唆しており、偶然現れる干渉色は、まるで宇宙が生成する瞬間のようにも見える。和田はこれまで、腐食のエネルギーや身体が生み出すエネルギーを時間性・偶然性として作品に取り入れていたが、本作は2000度の熱という大きなエネルギーが金属板を変容させ、それがひとところで停止してその姿をとどめた彫刻である。物質とエネルギーの接触と化学反応が、引き込まれるような生命誕生のヴィジョンを生み出している。

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