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歩く女

作家名アレクサンダー・アーチペンコ Alexander ARCHIPENKO
制作年1912年
技法、素材彩色、ブロンズ
寸法67.5×23.4×20.7
分野彫刻・立体(海外)
所蔵作品登録番号FS199600001000
解説アーチペンコによる彫刻の大きな革新のひとつとして、塊に穴をうがったり切開しての虚空間の導入が挙げられるが、それはこの彫刻において初めて示された。この像の頭部と胴体はその輪郭に沿った形で大きくくりぬかれ、例外的に凸状に造られた左乳房の立体感が目立っている。正面向かって右下の中空の円錐は左脚とみなされることもあるが、左手に持った日傘ではなかろうか。傘や長いスカートを斜めに切断することによって、それらの外側と内側の空間をともに見せているのである。角張った板状の両脚は、歩くという運動の方向を感じさせる。上半身もまた衣服の内にある肉体の滑らかな曲面を表しており、衣服を切り開いたかのような平面と、そこに刻まれた斜線との対比が鮮やかである。一個の人体の中でさまざまな空間構成が示され、しかもリズミカルに統一された作品といえよう。陶器のような質感をもつ色彩も作者自身によるものである。(M.T.) 「私自身の作品について言えば、三次元彫刻の幾何学的性質は、形態の極度の単純化から来ており、キュビストのドグマからではない。私はキュビスムから取ったのではなく、それに付け加えたのである。(アーチペンコ)」

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