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石庭女人図

作家名島田章三 SHIMADA Shozo
制作年1976年
技法、素材油彩、画布
寸法162.0×194.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO199300002000
解説島田は、自然の形態を解体し、平面化による画面への再構築というキュビスムの造形思考をもとに、「かたちびと」という独自な様式を完成させた。この「かたちびと」という表現が登場するのは1973年からであるが、一定の成果をみせたのがこの《石庭女人図》であろう。石庭を背景にしてやや横すわりの女性を描いたこの作品は、極めて平面的な画面処理がなされている。しかし、描かれた庭石や樹木も平坦な面による表現にもかかわらず、背景となった空間は不思議な奥行き感を表出している。また、前面に描かれた女性像も単純化された形態であるが、背景との間に一定の距離感を保ち、存在感をきわめている。さらに、女性像や背景に描かれたそれぞれの形態のバランスを保つうえで、統一的な乳灰色とアクセント的に加えられた色彩が大きな役割を果たしていると言えよう。「色面」と「線」と「画肌」の関係を徹底的に確認した島田芸術の成果とも言える作品である。

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