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思想家

作家名ラインハルト・セビエ Reinhardt SØBYE
制作年1993年
技法、素材クレヨン、紙・布・彩色アクリル板
寸法110.0×80.0
分野水彩・素描(海外)
所蔵作品登録番号FD199400003000
解説紙の上に線描きされた男の胸像は、テキスタイルのコラージュと彩色されたアクリル板で覆われている。複層的で混合的な技法で制作されたこの作品は、完成されるのに2年間を要したと言われている。傷つき、うらぶられたような「思想家」は、その薄暗がりの中で浮かび上がるような堅固な立体感をもって描かれている。彼自身の言葉を借りれば、「人間の逆接的で悲劇的な存在」という認識が出発点にあって、悲惨な現代社会の中での思想家としての位置づけを示しているのだろう。サビエは虐げられた人の肖像画を描くことが多いが、そうした人々が彼の絵の中で強さや美しさを含む確固とした存在感を持っていることは見落とすべきではない。その意味で、同国の画家ムンクや作家イプセンも見つめていた、現実の陰鬱な暗さの中に潜む明るい希望の兆候が透けて見えるのである。

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