木の肉・土の刃 Ⅱ (a)

作家名伊藤公象 ITO Kosho
制作年1993年
技法、素材磁土・プラチナ
寸法高15.0-30.0
分野彫刻・立体(日本)
所蔵作品登録番号JS199300004000
解説《木の肉・土の刃》シリーズの第3作目にあたる。1990年制作の1作目は、翌年の「アメリカ、メキシコ巡回・セブン アーチスツ 今日の日本美術展」に出品されたが、ここでの題名は「交歓と波状」である。「木の肉・土の刃」という題名は同時期に東京で開かれた個展に出品された第2作以後に使用されているが、同じ主題によるシリーズである。従ってこの作品も、「交歓と波状」という副題を持っていると考えて良いだろう。1990年に作者は新設されたばかりの女子美術大学工芸科の教授となった。このシリーズの最初の発想は、真新しい学園内での昼時、そこに集散する「海の潮止まりを思わせる」女子学生たちの姿に触発されて得たものという。さらにその掘り下げの段階で生まれた次の主題名は、「肉と刃」という語に現れるとおり、「しなやかさと強靭さ」「優しさと鋭さ」といった、一貫して追い続けてきた有機性に関する問題に、別の側面からつながるものであるだろう。

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