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1933(スペインの絵葉書のあるコラージュ)

作家名ベン・ニコルソン Ben NICHOLSON
制作年1933年
技法、素材油彩・鉛筆・紙と布のコラージュ、画布
寸法50.8×76.3
分野絵画(海外)
所蔵作品登録番号FO199200006000
解説ニコルソンが最初のレリーフを制作したのは1933年である。制作の対象が油彩画からレリーフへ移行していくにあたり、この年にコラージュの技法を使った作品が集中的に制作されている。この作品は油彩画に布と新聞片と絵葉書がコラージュされて複雑な画面構成になっているが、画題は静物画である。画面の下辺に見える二本の白い垂直線はテーブルの足を表している。とすれば、この絵に描かれたり貼られたりしているのはテーブルの上に置かれているものと考えられ、緑の布はテーブルクロスを表しているのだろう。
 ニコルソンと彫刻家のバーバラ・ヘップワースは1938年に結婚してその後約20年間婚姻関係にあった。二人はすでに1931年から親密になり、この作品が制作された33年には二人で南フランスに旅行している。この絵に貼られた新聞の見出しや絵葉書はおそらくこの時に手に入れたものであろう(題名に「スペインの絵葉書のある」とあるが、実際に貼られているのはフランスの絵葉書である)。画面左半分には重なり合う人の横顔と、正面の頭の輪郭が線刻されており、モチーフはニコルソンとヘップワースである。旅行を題材にしながら二人の親密さを伝える作品になっている。この作品は、イギリスの著名な美術評論家ハーバート・リードの結婚記念として1936年に夫妻に贈られることになるが、まさに贈り物としてはうってつけの作品だったといえよう。額の銀色の彩色もニコルソンによる。

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