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青い肩かけの女

作家名パブロ・ピカソ Pablo PICASSO
制作年1902年
技法、素材油彩、画布
寸法60.3×52.4
分野絵画(海外)
所蔵作品登録番号FO198700001000
解説「青の時代」のピカソの作品は貧困や弱者をテーマとし、青を基調とする画面には、感傷や憂愁といった冷やかな詩情が濃密に漂っている。この表現主義的象徴主義とも呼べる画風は、当時のピカソをとらえていた死や受難に対する個人的な感情に深く根づいたものであるが、こうした感情は次第に昇華され、普遍化されていく。バルセローナで制作されたこの作品は頭巾や肩掛けを身に着けた一連の婦人像の一枚で、モデルの非個性化された表情や悚然としたたたずまいからもうかがえるように、すでに個人感情を超越しており、見るものに畏敬の念を起こさせるような宗教的な域にまで到達している。ここにカタルーニャ地方のロマネスクやゴシックの彫刻に通じる、スペインの宗教美術の伝統を認めることもできよう。

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