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肘をつく女

作家名伊藤廉 ITO Ren
制作年1929年
技法、素材油彩、画布
寸法92.0×73.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO196900003000
解説1920年代にフランスに渡った日本人画家たちにとって、セザンヌは教祖のような存在だった。伊藤もフランスでセザンヌの作品に接して強い感銘を受け、のちにセザンヌに関する本を執筆した。この女性像をはじめ、伊藤がパリで描いた作品の多くは、人物を大まかな色面によってとらえ、暗い背景とのコントラストによって人物のシルエットをうかびあがらせている。この手法は、セザンヌの初期絵画から学んだものと思われる。たっぷりと絵具を盛った重厚な絵肌は、伊藤の作品のきわだった特徴だが、おそらくその点にもセザンヌの初期絵画への関心が反映されている。また、伊藤がパリで一時期ジョルジュ・ルオーの助手を務めたことも、油絵のマチエールに対する感覚を養ううえで、大きな意味をもったであろう。

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