雨余桂林

作家名吉田善彦 YOSHIDA Yoshihiko
制作年1982年
技法、素材紙本着色
寸法182.0×364.0
分野日本画(日本)
所蔵作品登録番号JJ198300008000
解説吉田義彦が現代の日本画界で高く評価されているのは、厚塗りの技法を用いて、画面全体にベールをかぶせたような繊細で温和な色調をつくりだし、典雅な叙情性をたたえた独特の風景表現を確立したことにあるということができる。この《雨余桂林》も、そのような彼の制作を代表するものである。中国の桂林に取材したこの作品では、この地方独特の形をみせる山々の連なりを遠景に配して、その手前には淡い緑に染まった平野が広がっている。その平野には、赤茶の土の部分や、遠くの青い山々を映す水の流れが描かれていて、そこには見事な色彩の調和が生み出されていている。この地方の湿潤な気候までもを感じさせるこの作品には、作者の深い自然観察と完成された風景表現を見ることができる。第67回院展の出品作である。

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