日本の美術を埋葬する

作家名久松知子 HISAMATSU Tomoko
制作年2014年
技法、素材アクリル・岩絵具、木製パネル
寸法226.0×480.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO202400002000
解説久松の大学卒業制作である本作は、日本の近現代美術史を批評的かつユーモラスに捉え直した意欲作である。久松は、西洋美術史におけるモダニズム史観(直線的な進歩史観)、すなわち「前世代を次世代が埋葬し、乗り越えていく」という構図を日本美術の文脈に重ね合わせ、独自の私的日本美術史を仮構した。画面には平山郁夫や東山魁夷ら物故の画家に加え、現代美術家の村上隆や福田美蘭、批評家の椹木野衣、哲学者の浅田彰、さらに久松自身も登場し、ジャンルおよび過去と現在の枠を越えた多様な担い手たちが一つの墓穴を囲んでいる。クールベ《オルナンの埋葬》を踏まえつつ、歴史画的なスケールを用い日本美術史そのものを相対化し、権威や系譜を「同じ穴のムジナ」として描き出す点に本作の鋭さがある。一方で、ビートルズのアルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のジャケットを思わせるポップな祝祭性も漂う。後継作《日本画家のアトリエ》とともにインスタレーション《レペゼン日本の美術》として発表され、岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞を受賞したほか、『日本美術全集』20巻(2016年、小学館)にも収載された、2000年代日本現代美術を代表する作品の一つである。

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