静物

作家名中村彝 NAKAMURA Tsune
制作年1911年
技法、素材油彩、画布
寸法43.0 ×53.3
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO202300030000
解説模様のある布の上に、琺瑯や陶磁器を思わせる器に盛った果実などが並べられた様子を描いた静物画。本作制作前後に中村は書籍や雑誌を通じてレンブラントやルノワール、ファン・ゴッホ、セザンヌの作品に触れ、作風に影響を受けていた。この頃の中村の静物画はセザンヌの静物画と結び付けた指摘をされることが多いが、本作では赤や橙を思い切りよく使い、はっきりした筆触を用いている点で、ファン・ゴッホからの感化も窺わせる。1914(大正3)年の東京大正博覧会で、中村は《少女》(1913年、愛知県美術館蔵、現作品名は《少女裸像》)と《静物》(本作)の2点が合格となり、本作は銅牌を受賞した。その後実業家・今村繁三(1877-1956)の所蔵となる。今村は、中村に自身が所有するシスレーやルノワールの作品を模写する機会を作ったり、下落合のアトリエ建設に援助、また病身の中村に医者の手配をしたりするなど、中村の支援者のひとりとして知られる。

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