plum fruit

作家名川内理香子 KAWAUCHI Rikako
制作年2021年
技法、素材水彩・鉛筆、紙
寸法41.0×31.8
分野水彩・素描(日本)
所蔵作品登録番号JD202300002000
解説ドローイングは一般に作品制作の前段階に描かれるものだが、川内にとってはペインティングと同じ重みをもった表現であるという。自分の身体性を一番強く感じられる表現方法がドローイングであり、その制作は彼女のライフワークとなっている。川内の作品にはしばしば人間の頭部や身体の一部と食べ物が渾然一体となったモチーフが見られるが、《palm fruit》もその一つで、椰子の実と人間の頭部が混じり合っている。川内の作品の出発点には食事という行為における違和感があり、臓器や筋肉を構成するための肝心の栄養の元が、身体の外部にある元は自分でないものであることが、自分の輪郭を曖昧にすると川内は考える。《HANDS》や《shower》に見られる、血液が滞留しているかのように赤く塗られた頭部と、それを取り囲む手や体の線の頼りなさは、身体のおぼつかない感覚を喚起する。

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