The books in K.T.’s bookshelf and foreign book

作家名竹村京 TAKEMURA Kei
制作年2019年
技法、素材オイルパステル、塗装された布・日本製絹糸・イタリア製合成繊維
寸法360.0×460.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO202300014000
解説竹村はイランの友人から、爆撃された小学校の図書館を写した写真を見せられた時、本がその国の記憶を伝えるという重要な役割を持つことを再認識した。本作では数多くの本が絹糸の刺繍で表わされている。絹糸は千年の時を越えても輝きを保つ素材として採用され、右開き、左開きの本の混在は、多様な文化の共存を表している。背景の右側には竹村の祖父の本棚、左側には竹村がドイツで見かけた本棚が描かれ、作品には英語の雑誌を毎日読んでいた祖父の思い出も込められている。「K. T.」は竹村の祖父、父、作家自身に共通するイニシャルである。異なる場所と時間を本がつなぎ、記憶を継承する。世界各地で生活し制作してきた竹村にとって、それぞれの場所と記憶は強く結びついている。とりわけ自らのルーツとなる祖父母、両親が暮らした家や部屋といった場所をモティーフとした作品は、写真やドローイングに刺繍した布がレイヤーをなす作品の構造と同様に、家族との過ぎ去った時を形にとどめるだけでなく、様々なテーマが重ねられている。

PageTop