Rose

作家名青山悟 AOYAMA Satoru
制作年2023年
技法、素材ミシン刺繍、ポリエステル・オーガンジー
寸法40.7×30.2
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO202300001000
解説青山は2011年の個展「芸術家は人生において6 本の薔薇を真剣につくらねばならない」(ミヅマアートギャラリー)において、ミシン刺繍で制作した赤い薔薇の作品6点を発表した。この作品を制作し始めた当初は、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動を意識し、ありふれたモチーフの薔薇にミシンでどこまで迫れるかという試行を行っていた。その後東日本大震災が発生し、この年の象徴的作品として薔薇のモチーフを限定的に制作した結果、6点の作品が生まれた。震災という自然の大災害に対して、アーティストたちはすぐに現地に飛んだり、アートにできることはないと嘆いたりするなど、様々な反応を示したが、青山は遅効性のある芸術の意義や普遍性を信じて、薔薇の作品を作り続けた。この個展に際し、青山は自ら「薔薇をつくることを自分の作家活動において二度としない」と宣言したが、当館が同時収蔵した作品《《N氏の吸い殻》と対置させる形で特別に再制作を行った。画面全面が刺繍に覆われ、裏糸を表地に出して薔薇の棘を表現するなど、細やかな技法で緻密に作り上げられた作品である。

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