空蝉 Crush !

作家名キュンチョメ KYUN-CHOME
制作年2017年
技法、素材ヴィデオ
寸法17分55秒
分野映像(日本)
所蔵作品登録番号JV202200004000
解説蝉の幼虫は地中で数年過ごした後に地中に出てきて羽化する。その蝉の抜け殻を潰しながら一般の参加者が「生まれ変わったらなりたいもの」を語るワークショップの映像。青空を背景とした蝉の殻は地中から空へ羽ばたく希望の比喩、あるいは儚い生の比喩だろうか。本作もキュンチョメのほかの2点の所蔵作品《遠い世界を呼んでいるようだ》や《ウソをつくった話》と同様、被災地である石巻で制作されている。東日本大震災から7年経過したことから、キュンチョメは蝉の抜け殻という着想を得たようだ。「復興」として大掛かりな土壌整備や建築が進み、街が変わりゆく様子は、未来に対する希望と、過去を消し去る不安の双方を感じさせる。その矛盾した感情を、蝉の殻を潰すことでヴィヴィッドに捉えている。なお、参加者が語る「生まれ変わったらなりたいもの」の大半がそれほどシリアスでなく、ファシリテートするキュンチョメ自身の声も随所に入り込むため、即興性や軽さをたたえている。

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