木と車 <駐車空間>シリーズより

作家名城戸保 KIDO Tamotsu
制作年2020年
技法、素材発色現像方式印画
寸法90.0×135.0
分野写真(日本)
所蔵作品登録番号JF202200004000
解説〈駐車空間〉のシリーズは、留め置かれた車体やその周囲の環境が主な被写体となっている。「いずれも『もの』そのものへの関心ではなく、 それらが存在する状況や空間、色彩や光の現象の介入による写真空間であり絵画空間への興味である」(註)と城戸本人が語るように、被写体の色や明暗の違い、それらの作り出す形や配置の妙によって、鑑賞者の眼差しは一枚の絵画を眺めるように、写真の上を移行する。しかし一方で、ここに記録されているのは、現代日本の日常風景でもある点にも留意したい。本作品に見られる、壊れたまま放置されている車は「醜い物だからこそ美しい」といった美的反転を生じさせることもなく、淡々とカメラの前に存在している。周縁的で凡庸な風景から、日常的な意味を脱色させ、特異な視覚体験を導きだそうとする城戸の試みは、写真のモダニズムの系譜上にある。
(註)個展「駐車空間 / 絵画建築 / 案山子」(HAGIWARA PROJECTS)におけるステートメントより。

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