駐車空間 <駐車空間>シリーズより

作家名城戸保 KIDO Tamotsu
制作年2017年
技法、素材発色現像方式印画
寸法29.4×44.4
分野写真(日本)
所蔵作品登録番号JF202200002000
解説〈駐車空間〉のシリーズは、留め置かれた車体やその周囲の環境が主な被写体となっている。「いずれも『もの』そのものへの関心ではなく、 それらが存在する状況や空間、色彩や光の現象の介入による写真空間であり絵画空間への興味である」(註)と城戸本人が語るように、被写体の色や明暗の違い、それらの作り出す形や配置の妙によって、鑑賞者の眼差しは一枚の絵画を眺めるように、写真の上を移行する。〈駐車空間〉のシリーズのうち、最初期に制作された本作品では、天井で光の反射が作り出す白いもやのような不定形のイメージと、そこをまっすぐに横切る三本の影が最初に見る者の目に飛び込み、続いて、中央に配置された白いトタン状の壁に沿って、眼差しは下へと降りてゆく。そして、右側に差し込む強烈な光に導かれ、最後に反射光を生み出す車の存在に気付くのである。こうした鑑賞体験は、城戸が、ファインダーの向こうの世界を、色と光、形の配置へと還元し、それらを二次元平面へと圧着させた結果により、もたらされている。
(註)個展「駐車空間 / 絵画建築 / 案山子」(HAGIWARA PROJECTS)におけるステートメントより。

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