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『サルタン王と、その息子、ほまれ高い、たくましい勇士グヴィドン・サルターノヴィチ公と、まことに美しい白鳥の王女の話』

作家名ナタリア・ゴンチャローワ Natalia GONCHAROVA
制作年1921年
技法、素材ステンシル、紙
寸法29.7×23.0
分野版画(海外)
所蔵作品登録番号FP202200001000
解説詩人・作家のアレクサンドル・プーシキン(1799-1837)が1831年ロシアの民話をもとに創作した詩に、ゴンチャロワが挿絵をつけた作品。1921年にパリの出版社ラ・シレーヌで刊行された599部のうち、本作品のエディションはNo126で、手漉き洋紙に刷られた通常版として制作されたものである。全48頁からなり、その内10頁は画面全体に挿絵が描かれ、6頁には花模様の装飾が全面に施されている。そのほかのページは装飾された枠の中にフランス語で物語が記されている。ポートフォリオの表紙には紫の地に赤色で植物が曲線を描きながら画面を埋め尽くすようにデザインされている。ゴンチャロワはロシアからパリに移住後、レイヨニスムや抽象的な前衛表現からは離れ、ロシアのイコンや民族衣装、民芸品などのもつ素朴な造形や鮮やかな色彩構成などをもとにして、舞台装飾や衣装、ファッション、テキスタイルのデザインを行うようになった。本作品にもそうしたゴンチャロワ特有の色彩感覚や装飾性、プリミティヴな表現が表されている。

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