本坂地質調査16-1

作家名味岡伸太郎 AJIOKA Shintaro
制作年1995年
技法、素材土・ボンド、画布
寸法186.0×320.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO202200002000
解説味岡は、地層が露出した場所に赴き、それぞれの層から少量の土を順に採取し、それを画面上に均等に並べて塗布する方法で本作品を制作した。本作品に塗布された土は、愛知県と静岡県とを結ぶ本坂(本坂通、古くは姫街道とも呼ばれた東海道の見附宿と御油宿を結ぶ街道だった)付近で採取された。採集から制作までのプロセスがあらかじめ決められており(コンセプチュアル・アート)、自然地形が織りなす場所に直接触れ(ランドアート)、それを均等な幅で並べたストライプによる抽象的な画面を生み出す(モダニズム絵画)。こうした彼の制作過程には技巧的な部分がほとんどなく、作品の見栄えはただその場所の土の性質によって決定される。タイトルに「調査」の語が含まれているのは、そうした味岡の制作姿勢の反映だろう。古くから陶磁器の一大生産地であり、素材としての土との関係が強い愛知の地にあって、県境の土を用いた本作品は、愛知という土地を直接的に示すと同時に絵画の多様性を示している。

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