プラットフォーム―伊藤博文暗殺現場、ハルピン・中国 「Scene」シリーズより

作家名米田知子 YONEDA Tomoko
制作年2007(2016)年
技法、素材発色現像方式印画
寸法75.5×96.0
分野写真(日本)
所蔵作品登録番号JF201600021000
解説「Scene」は、過去に歴史的事件が起こった場所の現在の風景を撮影した、米田の代表的シリーズのひとつ。駅員が立つ駅の構内は、日本の政治家・伊藤博文が襲撃され死亡した事件が起こった場所である。鑑賞者は作品名により、その事実を知ることになる。目の前の風景の歴史や記憶を理解することで、見ているイメージは変わらないのに、まるで別のものを見ているような感覚に陥る。歴史は、目に見えるモニュメントや建造物だけに現れるものではなく、木々や野原、青空や青い海、身近なあらゆるものに息づいている。米田は「見えるもの」と「見えないもの」を鑑賞者に問い掛け、鑑賞者は性別や年齢、社会的背景などの違いにより異なる見方をし、多様に解釈する。目の前の風景やものを写し取る写真というメディアを用いながら、表に出てきていないものを含めて可視化しようとする米田の作品は、人間が「見る」ということはどういうことなのかを考えさせる。

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