四つの風

作家名黒崎彰 KUROSAKI Akira
制作年1999年
技法、素材木版、紙
寸法59.8×89.8
分野版画(日本)
所蔵作品登録番号JP200300002000
解説この作品はおそらく四つの版を用いて刷られている。最初が風車の部分に見られる灰色、二番目にそのまわりの赤茶色、三番目が黒、最後が画面両端の黄銅色である。浮世絵に強く影響を受けた黒崎の典型的な色彩である赤と黒は、それぞれが人間の苦悩や死の不安を象徴するものとして使用されてきた。この作品では1970年代の作品のような鮮明な赤は使われていないが、その余韻は感じられる。1987年に京都繊維大学から京都精華大学に移り、紙漉き工房を作ってから紙の素材性や造形性に魅せられ、紙そのものが表情を見せるようになる。手漉き和紙に摺られたこの作品は、「紙の上にではなく、紙と同化するように摺る」という作家の1990年代の典型的な手法を見せており、しっくりとしたマチエールを生み出している。

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