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画室の女

作家名三尾公三 MIO Kozo
制作年1990年
技法、素材アクリル絵具、板
寸法162.0×120.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO200100002000
解説三尾の作品において、1970年代以降、裸婦のイメージがライトモチーフとなっていった。裸婦といっても、裸体が本来備えている美しさを賛美するような描き方はしていない。全裸で描かれる裸婦は少なく、衣服を身に付けてはいるものの、そこから裸体を覗かせるというような描き方をしているのがほとんどである。そしてこの作品に見られるように、たいていのモデルは見る者に挑発的な視線を送っている。この作品の背景には自動車レースとジェイムズ・ディーンの写真が立てかけられている。ジェイムズ・ディーンが自動車事故で若くして死んだことを知っている人間にとって、これらのモチーフは死の象徴となる。女性に近づいてみたいという欲望と、近づくと死という落とし穴が待ちかまえているわよという脅迫の中で、この作品を見る男性は葛藤する。半裸の女性に近づけば近づくほど、彼女のいる世界が現実ではなく、架空の世界でしかないということが明瞭になってくる。

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