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ナターシャ IV

作家名フランツ・ゲルチュ Franz GERTSCH
制作年1987-88年
技法、素材木版、雲肌麻紙
寸法232.5×182.0/276.0×217.0
分野版画(海外)
所蔵作品登録番号FP199600001000
解説絵画から木版画への転向後の最初の木版画シリーズの中の1点である。モデルの写真をスライドに撮ることから版画の制作は始まる。この撮影したスライドをプロジェクターに入れて、垂直に立てた巨大な版木に投影する。そして、これから彫ろうとするほんの一部分を凝視して、その画像を記憶する。記憶できたらプロジェクターを消し、記憶された画像にそって版木に細かな点を刻んでいく。この工程を何か月もかけて延々と繰り返すことで版木が完成する。最後に日本画の顔料を使って手漉和紙に刷ることで、作品は独特のテクスチャーをもつようになる。アメリカのフォトリアリズムに近い作品であるが、木版画という大きな作品には適さない技法を使い、緻密な画面を作り上げているところにゲルチュの木版画の独自性がある。

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