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不忍池

作家名高橋由一 TAKAHASHI Yuichi
制作年1880年頃
技法、素材油彩、画布
寸法67.0×97.2
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO199500005000
解説徳川家康に重用された天台僧天海が1625年(寛永2)上野の地に寛永寺を建立した際、不忍池を琵琶湖になぞらえ、池中の島を竹生島に見立て、ここに弁財天を祀ったことから、不忍池は江戸名所として賑わいをみせるようになり、歌川広重をはじめとする江戸の画人たちによって多く描かれることとなる。高橋由一が洋画の先駆者として崇敬した司馬江漢や小田野直武も不忍池を題材に優品を遺している。由一が大きな影響を受けたイタリア人画家フォンタネージは明治9年に工部美術学校の教師として来日したが、やはり写生の地としてこの地を好んだ。不忍池南岸から弁天堂を望むこの作品は、1880年8月の天絵社月例油絵展に出品された《池の端暮景(不忍ノ暮景)》と推定されているもので、淡紅色に耀く雲、速筆で描かれた風に揺らぐ柳枝、巧みな遠近表現などにフォンタネージから学んだ跡が歴然とし、名所絵の伝統を背景に有しながら、近代風景画の誕生を告げるものとなっている。

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