ティル

遺産名(ヨミ)ティル
資産概要竹で作った運搬用のカゴのことです。サイズは幅や背丈など大小様々で、運搬の仕方も様々でした。胴体に4つの耳がついていて、そこに幅の広い紐を通して片肩にかけたり両肩にかけたり、額にかけたりして荷物を運びました。紐をカゴの耳に通したら、両紐の端を後で結び、前の帯部を頭にかけて背負うのですが、荷が軽いときは右肩から学生カバンのように掛けて負います。背が高いカゴは背負うのに向いた作り方です。荷が重いときでも男は頭にかけることは稀で、両肩に掛けて胸の前に帯の中央をもってきて杖などで支えて背負います。牛馬の牧草を刈るときや甘藷を掘って運ぶときなどの用途が多く、今でもティルを持って歩いている女性の姿を垣間見ます。時には女性の頭上運搬具として愛用されてきました。
すべて竹で編まれており、カゴの耳と縁だけが山かずらで作られています。竹の種類は主にマダケ、メダケ、キンチクを使いますが徳之島ではキンチクが多いようです。マダケの場合は竹の裏と表を交互に使いますが、キンチクの場合は表だけを使います。

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