サザエに入居しようとする、オカヤドカリ

オカヤドカリ ( Land hermit crab )

名称(ヨミ)オカヤドカリ
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類オカヤドカリ科
形態甲長3センチほど、足の差し渡しは10センチほど。左のはさみが大きく、殻に納まるときのふたになる。色は褐色や肉色で、あまり黒っぽくない。小さいうちは海岸のウミニナやアマガイ、少し大きくなるとカタツムリ、更に大きくなると岩場の巻貝などを背負うが、島の海岸はリーフで巻貝の打ち上がりが妨げられるため、捨てられたサザエ、外来種アフリカマイマイの貝殻は貴重な物件である。
概要※オカヤドカリは、全種が国指定の天然記記念物である。

【分布】
太平洋西部からインド洋の亜熱帯、熱帯海域の沿岸に広く分布。国内では紀伊半島や四国、九州の黒潮が流れる沿岸から南方で見られる。徳之島では海岸だけでなく、海岸から3キロ程度までなら山の森林でも見られる。

【生態】
動物の死骸、アダンの実など果実や種子、木の葉など様々なものを食べる雑食性。林道で事故死したウリボウ(イノシシの子)の死骸を食べていたこともある。大型のものは日中に出歩くことはなく、夕方から夜に活動する。海岸のアダンの木陰では、日中でも活動することがある。初夏から盛夏にかけ、雌は貝殻の内側に納まっている腹の左に卵を産み、幼生がかえる直前まで抱卵する。シーズンには海岸に大挙して群がることがある。寿命は10年くらい。

【島内の目撃情報】
至るところで見られるが、砂の多い海岸では小さな個体が多数見られる。大型の個体は神出鬼没で、夜になると海岸から離れた集落内を歩く姿が見られることがある。その際、コロロ、コロロロとサザエなどの貝殻が路面に当たる音が聞かれる。砂浜には、夜間歩き回った足跡が残っている。
観察できる場所砂がある海岸やアダンの周辺

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